「仮面ライダーのオーディションを受けたい」。そう思って検索したものの、公式サイトのどこを探しても応募ページが見つからない——そんな経験をした方は少なくないはずです。
結論からお伝えすると、仮面ライダーやスーパー戦隊の主演キャストを、誰でも応募できる形で一般公募している事実は確認できません。けれども、だからといって特撮作品への道が閉ざされているわけではありません。実際に主演を務めている俳優たちは、ある共通のルートを通ってその座にたどり着いています。
この記事では、特撮オーディションがどのような仕組みで行われているのか、一般の人が挑戦するには何から始めればいいのか、そして未経験・地方在住でも目指せるのかを順番に整理していきます。読み終えるころには、「今日から何をすればいいか」がはっきりしているはずです。

俳優オーディション 特集
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最初に、もっとも多くの人がつまずくポイントをはっきりさせておきます。
仮面ライダーシリーズやスーパー戦隊シリーズ、ウルトラマンシリーズの主演級の役について、制作側が誰でも応募できる形の募集をかけているケースは、基本的に見当たりません。番組公式サイトに応募フォームが置かれることはなく、履歴書を送る先も公開されていないのが実情です。
では、主演俳優たちはどうやって選ばれているのでしょうか。答えは、芸能事務所に所属しているタレントを対象にした、非公開のオーディションです。制作サイドが各事務所に募集要項を回し、事務所が所属タレントの中から候補者を推薦する。その候補者たちが集まって審査を受け、主演が決まる。これが特撮作品のキャスティングの基本的な流れです。
つまり、一般の人がいきなり「仮面ライダーのオーディション」を受けることはできません。けれども、その前段階に立つことはできます。一般の人が応募できるオーディションは、大きく次の3種類に分かれます。
- 芸能事務所の新人オーディション:もっとも王道のルート。ここに受かって所属タレントになることで、特撮作品のオーディションに呼ばれる資格が生まれます
- 特撮・アクションに強い事務所の募集:特撮作品を手がける制作会社と距離が近い事務所のオーディション
- アクション系の養成所・研修制度:スーツアクターを目指す場合のルート
言い換えると、特撮への道は次の3段階になっています。
- ステップ1 事務所に所属する
- ステップ2 特撮オーディションに呼ばれる
- ステップ3 役を勝ち取る
多くの人が最初の1段目を飛ばして考えてしまうため、「応募先が見つからない」という壁にぶつかるのです。
逆に言えば、1段目さえクリアすれば、あとは実力と縁の世界に入れます。そして1段目は、今この瞬間から挑戦できます。
今すぐ応募できるオーディションを先に確認したい方は、【現在開催中】オーディション情報一覧もあわせてご覧ください。
仮面ライダー・スーパー戦隊の主演はどうやって決まるのか
「事務所経由と言われても、結局はベテラン俳優が選ばれるのでは」と感じた方もいるかもしれません。ところが、特撮作品の主演に関しては事情がまったく違います。
選ばれているのは「事務所に所属している新人」
象徴的なのが、『仮面ライダーガヴ』で主演を務めた知念英和さんのケースです。知念さんは沖縄県出身で、19歳のときに仮面ライダーガヴ/ショウマ役に抜擢されました。きっかけは2021年、スターダストプロモーションの第2回スターオーディションで、1万5918人の応募者の中からファイナリストの1人に選ばれたことでした。高校2年生でエントリーし、審査の場で「仮面ライダーになりたい」と公言していたといいます。
もう一人、『仮面ライダージオウ』の主人公・常盤ソウゴ役を演じた奥野壮さんも分かりやすい例です。起用された当時は18歳で、俳優としてのキャリアはほとんどない状態でした。
この2つの事例が示しているのは、特撮作品のキャスティングにおいて「演技経験の長さ」は決定的な条件ではないということです。むしろ制作側は、まだ色のついていない若い才能を探し、作品の中で育てていく方針をとってきました。平成仮面ライダーシリーズには、新人を一から鍛え上げて作品のクオリティを保ってきたスタッフが揃っているとも言われています。
重要なのは経験年数ではなく、その場に立てる立場にあるかどうか。つまり事務所に所属しているかどうかです。
特撮主演は俳優としての登竜門になっている
特撮作品の主演がどれほど大きなチャンスなのかも、実績を見れば一目瞭然です。
『仮面ライダーカブト』主演の水嶋ヒロさん、『仮面ライダー電王』主演の佐藤健さん、『仮面ライダーキバ』主演の瀬戸康史さん、『仮面ライダーW』主演の菅田将暉さん、『仮面ライダーフォーゼ』主演の福士蒼汰さん、『仮面ライダードライブ』主演の竹内涼真さん。いずれも、その後の日本の映像業界を代表する俳優へと成長しました。『仮面ライダーフォーゼ』に出演した吉沢亮さんは、のちにNHK大河ドラマの主演を射止めています。
1年間、毎週テレビで主役を演じ続ける。これほど濃密な実地経験を積める現場は、新人俳優にとって他になかなかありません。特撮が「登竜門」と呼ばれるのは、単に知名度が上がるからではなく、俳優としての基礎体力が徹底的に鍛えられるからです。
ちなみに、特撮作品に特別な思い入れがなかった人が主演を射止めたケースもあります。『仮面ライダークウガ』で主人公・五代雄介を演じたオダギリジョーさんは、のちにラジオ番組で、当時はシリーズに出演する気がまったくなく、オーディションに合格してしまったため演じることになったと明かしています。好きであることが必須条件ではない、という点も覚えておくといいかもしれません。
だから最初の一歩は「事務所オーディション」になる
ここまでを整理すると、答えはシンプルです。
特撮に出たいなら、まず芸能事務所のオーディションを受けること。これが遠回りに見えて、実際にはもっとも確実な最短ルートです。知念さんも奥野さんも、全員がこの1段目から始めています。
そして事務所オーディションは、特撮作品のキャスティングと違って一般の人に開かれています。経験も実績も問わない募集が、今この瞬間にも行われています。

なかでも、特撮ヒーローを目指す男性にそのまま重なるのが「次世代ヒーロー発掘オーディション Cast Power Next」です。あの頃夢中になった戦隊ヒーローへの憧れを、憧れのままで終わらせないための、メンズ限定の次世代ヒーローオーディション。基礎から学べるレッスン環境が整っており、映画・ドラマ・CMなどへの出演チャンスも多数用意されています。
募集要項は、経験不問・6歳〜30歳・心身ともに健康な男性。演技経験がまったくなくても応募できます。
応募前に評判を確認しておきたい方は、【口コミ・評判】キャストパワーネクストを徹底リサーチ!【特待生情報】もご覧ください。
特撮作品で募集されている5つの役割
「特撮に出る」と一口に言っても、役割はひとつではありません。自分がどこを目指すのかによって、進むべきルートが変わります。
- 変身ヒーロー(主演):顔出しで主役を演じる
主なルート:事務所所属 → 制作側のオーディション - ヒロイン・女性キャスト:戦隊メンバーや相棒役など
主なルート:事務所所属 → 制作側のオーディション - 敵幹部・ゲスト出演:1話〜数話に登場する役
主なルート:事務所経由のキャスティング - スーツアクター:スーツを着てヒーローや怪人を演じる
主なルート:アクション事務所・養成部 - 声の出演:怪人・怪獣などの声を担当
主なルート:声優事務所
主演だけが特撮への入り口ではない、という点はぜひ知っておいてください。敵幹部やゲスト出演から入り、そこから活躍の場を広げていく俳優も数多くいます。
ヒロイン・女性キャストを目指す場合
スーパー戦隊シリーズは男女混成のチームが前提になっているため、女性にも主要キャストの門戸が開かれています。仮面ライダーシリーズでも、主人公と並ぶ重要な女性キャラクターが毎作登場します。
そして起用される年齢帯を見ると、現在まさに主要キャストとして求められているのは2000年代生まれの世代です。

その世代に照準を合わせているのが「ヒーローヒロインオーディション Ai & Grace」です。人の記憶に残る人物、Z世代の主人公候補を募集するオーディションで、2000年代生まれ限定(応募は6歳から可能)。経験不問で、やる気を重視した審査が行われます。
審査で見られるのは、完成度ではなく素質・素材・個性。合格後はTV・CM・映画・舞台・LIVE・ファッションショーなど、幅広いジャンルで活動するチャンスがあります(レッスンを受けた方がデビューの対象となります)。
自分をうまく言葉にできるか不安な方もいるかもしれませんが、審査員からの質問に答える形で進めてもらえるため、話すのが得意でなくても問題ありません。
詳しい評判は【口コミ・評判】Ai&Grace(アイグレース)を徹底リサーチ!【特待生情報】で確認できます。
スーツアクターを目指す場合
顔出し俳優とはまったく別のルートになるのが、スーツアクターです。スーツや着ぐるみを着てヒーローや怪人を演じる役割で、高度な演技力とスタント技術の両方が求められます。
代表的な進路が、スーパー戦隊や仮面ライダーのスーツアクターが数多く所属するジャパンアクションエンタープライズ(JAE)です。『王様戦隊キングオージャー』などで活躍するスーツアクターの高田将司さんは、高校生のときにJAEの養成部に入部し、2009年の『仮面ライダーディケイド』で本格的に現場へ入るようになったと語っています。
顔出しでの出演を目指すのか、スーツアクターを目指すのか。この2つは早い段階で方向性を決めておくと、取るべき行動が明確になります。
特撮オーディションの審査内容と流れ
事務所オーディションに応募したあと、実際にはどのような審査が行われるのでしょうか。一般的な流れに沿って見ていきます。
書類審査で見られるポイント
最初の関門は書類審査です。提出するのは主にプロフィールと写真で、合否を大きく左右するのは写真です。
ポイントは3つあります。明るい場所で撮ること、顔がはっきり分かること、そして加工をしすぎないこと。審査する側は「実際に会ったときにどう見えるか」を判断材料にしているため、実物とかけ離れた写真はかえってマイナスに働きます。スマートフォンのカメラでも十分です。
撮影のコツは読者モデルオーディションの写真の撮り方|書類通過率を上げる5つのコツで詳しく解説しています。
面接・実技で見られるポイント
書類を通過すると、面接や実技審査に進みます。自己PR、カメラテスト、簡単な動きの確認などが一般的です。
ここで意外に思われるかもしれませんが、演技の上手さが最優先で見られるわけではありません。特撮作品の俳優育成とマネジメントを行う東映東京撮影所 俳優ユニットも、求める人材として、健康で礼儀正しく、人を惹きつける力を持った人、そして何事も楽しめる人を挙げています。
技術は現場で身につけられますが、人柄や健康、素直さは一朝一夕では変わりません。審査する側がそこを重視するのは、1年という長丁場を一緒に走れる相手を探しているからです。
特撮ならではの評価軸
一般的な俳優オーディションに加えて、特撮では次のような点も見られます。
- 体力と運動能力:アクションシーンが多く、撮影は長時間に及びます
- 子どもから見た親しみやすさ:主要な視聴者は子どもたちです
- 継続する力:レギュラー作品は約1年間、スケジュールを拘束されます
- 声の通り:変身シーンや名乗りでは、はっきりした発声が求められます
なお、特撮作品のオーディションには、シリーズを手がけるプロデューサーが審査員として加わることもあります。東映東京撮影所 俳優ユニットの2026年夏の特別オーディションでは、『仮面ライダーガヴ』『仮面ライダーオーズ/OOO』『仮面ライダー電王』などを手がけた武部直美プロデューサーらが審査員を務めました。事務所経由のオーディションが、制作現場と直結していることがよく分かる例です。
未経験・何歳からでも目指せる?よくある不安への回答
ここからは、応募をためらう理由になりやすい疑問に答えていきます。
演技未経験でも受かるのか
受かります。むしろ特撮作品では、未経験に近い状態から主演に抜擢された例のほうが目立つほどです。知念英和さんも奥野壮さんも、俳優としての実績がほとんどない状態でシリーズの主役を射止めました。
新人オーディションの多くが「経験不問」と明記しているのも同じ理由です。スキルではなく、伸びしろと個性が評価の対象になっています。
何歳まで挑戦できるのか
主演級のキャストは10代後半から20代前半が中心です。ただし、それ以外の役まで視野を広げれば年齢の幅はぐっと広がります。敵幹部や大人の協力者といった役どころ、スーツアクター、声の出演には、幅広い世代が起用されています。
また、子役からスタートして将来のヒーロー役を狙う道もあります。この記事で紹介した2つのオーディションは、いずれも6歳から応募可能です。
地方在住でも応募できるのか
応募は可能です。近年はオンラインでの書類審査や面接を取り入れるオーディションが増えており、最初の段階で上京する必要はないケースがほとんどです。
実際、仮面ライダーの主演俳優には地方出身者が少なくありません。知念英和さんも沖縄県の出身です。住んでいる場所は、挑戦しない理由にはなりません。
特撮に詳しくないと不利?
不利にはなりません。前述のとおり、オダギリジョーさんのように作品への思い入れがないまま合格した例もあります。
むしろ大切なのは、その役を1年間背負いきる覚悟があるかどうかです。知識は後からいくらでも身につきます。
応募にお金はかかる?
一般的な新人オーディションでは、エントリー自体に費用はかかりません。会場まで行く交通費などは自己負担になるのが通例です。
合格後のレッスン費用の扱いは事務所によって異なるため、募集要項を確認しておくと安心です。費用面が気になる方はお金がかからない芸能事務所に入る方法!特待生制度や中小事務所の狙い方を解説もあわせてどうぞ。
今から応募できる特撮を目指せるオーディション
ここまで読んで「まず事務所に所属することから始めよう」と思えた方のために、現在応募できる募集を整理しました。
- Cast Power Next(次世代ヒーロー発掘オーディション)
対象:6歳〜30歳の男性・経験不問
特徴:戦隊ヒーローを目指す男性向け。基礎から学べるレッスン環境、映画・ドラマ・CMへの出演チャンス多数 - Ai & Grace(ヒーローヒロインオーディション)
対象:2000年代生まれ(6歳〜)・経験不問
特徴:素質・素材・個性を重視。TV・CM・映画・舞台など幅広いジャンルで活動可能
特撮ヒーローを目指す男性の方は、こちら。
ヒーロー全般・ヒロイン役を目指す方、2000年代生まれの方はこちら。
このほか、特撮作品に特化した事務所の募集が行われることもあります。東映東京撮影所内に事務所を構える俳優ユニットは、撮影現場が身近にある環境で新人からベテランまでをマネジメントし、特撮ヒーロー作品や映画の主演・メインキャストとして活躍できる人材を育成しています。こうした募集は不定期のため、情報をこまめにチェックしておくことが大切です。
最新の募集状況は【現在開催中】オーディション情報一覧で随時更新しています。
特撮オーディションに向けて今日からできる3つの準備
最後に、応募と並行して進めておきたい準備を3つ挙げます。
- 体力づくりと姿勢・発声
特撮の現場はアクションと長時間撮影が前提です。走る、跳ぶ、構えるといった基本的な動きが無理なくできる体を作っておくと、審査での動きにも説得力が出ます。姿勢を正し、お腹から声を出す練習も、面接の第一印象に直結します。 - 宣材写真の準備
明るい場所で、正面からのバストアップと全身の2枚。これだけ用意しておけば、どのオーディションにもすぐ応募できます。加工しすぎないことを忘れずに。 - まず応募して場数を踏む
これがもっとも重要です。オーディションは、受ければ受けるほど場慣れしていきます。『仮面ライダーギーツ』に出演した佐藤瑠雅さんにとっても、この作品のオーディションが人生で初めてのオーディションでした。誰にでも最初の1回があります。
完璧に準備してから応募しようとすると、応募の機会そのものを逃してしまいます。準備しながら挑戦する。これが特撮への最短距離です。
よくある質問
Q. 特撮オーディションに応募するのにお金はかかりますか?
A. 一般的な新人オーディションでは、エントリー自体に費用はかかりません。会場までの交通費は自己負担になるのが通例です。合格後のレッスン費用の扱いは事務所ごとに異なるため、募集要項で確認しておきましょう。
Q. 仮面ライダーのオーディションに直接応募する方法はありますか?
A. 誰でも応募できる形での一般公募は、基本的に行われていません。制作側が芸能事務所に募集をかけ、所属タレントの中から候補者が選ばれる形が一般的です。まずは事務所のオーディションに合格することが現実的なルートになります。
Q. 身長や体型の条件はありますか?
A. 新人オーディションの段階では、身長や体型を厳密に問わない募集がほとんどです。ただし特撮作品ではアクションが多いため、健康であることは重視されます。
Q. 落ちたらもう受けられませんか?
A. 同じ事務所であっても、期を改めて再挑戦できるケースは多くあります。また複数のオーディションに応募することも問題ありません。1回の結果で諦める必要はありません。
Q. 学業や仕事と両立できますか?
A. 両立しながら活動している人は大勢います。特撮作品を手がける事務所の中には、学業との両立など本人や家族の意向をふまえたマネジメントを行っているところもあります。応募前に活動条件を確認しておくと安心です。
まとめ
最後に、この記事の要点を振り返ります。
- 仮面ライダーやスーパー戦隊の主演は一般公募されておらず、事務所所属者を対象としたオーディションで決まる
- 選ばれているのは演技経験の長い人ではなく、事務所に所属している新人。知念英和さんも奥野壮さんも、ほぼ未経験の状態で主演を射止めた
- だから特撮への最短ルートは、まず芸能事務所のオーディションを受けること
あの頃テレビの前で夢中になったヒーローに、今度は自分がなる。その第一歩は、憧れを語ることではなく、応募ボタンを押すことから始まります。